韓国政府に向けた芸能人たちの発言が話題になっているなか、有名人という理由だけで、彼らの表現の自由が剥奪されてしまうのはどうかという懸念が出ている。
【注目】旅行写真を投稿して“袋叩き”に…コロナで芸能人SNSに新たな悩み
芸能人の政治的発言は、有名人ではなく、1人の市民の発言にすぎないと理解する必要もある。彼らが発言した後の個人SNSは、プライベートな空間である意味を失ったまま、複数の人が集まり、善悪を争う場となってしまう。
いわゆる“有名税”を厳しく押し付けられているわけだ。
「文在寅大統領が好き」と書いて叩かれる
俳優チョン・ジュンは、自分のSNSに文在寅(ムン・ジェイン)大統領と“日本不買運動”を支持すると明かして、無差別的な悪質コメントに苦しめられた。また女優チャン・ミイネがSNSで、新型コロナ対策として韓国政府が行う緊急災害支援金政策を批判すると、ネット上で袋叩きに合った。
彼らの発言をひとつの意見として尊重せず、善悪を探りながら非難している状況だ。
チョン・ジュンは無差別的な悪質コメントに、「本当は相手にしたくないが、私が文在寅大統領を好きで何が間違っているのか。共産党か。大統領が好きだと言ったら、怒られるのか。私が誰を好きでも、自分の個人インスタグラムに上げているだけなのに」とコメントした。
彼は3月18日に悪質コメントを書き込む者を告訴するとしたが、しばらくして告訴を取り消すという立場を明らかにした。
韓国政府批判→芸能界引退宣言
チャン・ミイネは韓国政府の緊急災害支援金政策を批判する文章を個人SNSに上げ、ネット上で舌戦を繰り広げた末に、芸能界引退を宣言した。
彼女は3月30日、韓国政府が新型コロナと関連して、“所得下位70%世帯”に100万ウォン(約10万円、4人世帯基準)を支給するという方針に、強い不満を示した。
個人SNSを通じて「迷惑だ、本当に。お金がどこにあるのか韓国の」とし、「国民を助ける政府といえるのか。ニュースを見ると怒りが込み上げる」などと批判した。
芸能人の政治的発言で炎上騒ぎになる現象は、政治的発言が自由なアメリカのスターとは対照的だ。
自由に政治発言するアメリカと対照的
アメリカのスターたちは社会的発言だけでなく、特定の政治家を支持する発言も自由に行っている。選挙シーズンごとに同国のスターたちは、特定の政治家を支持する発言をしてきた。
今回の2020年アメリカ大統領選挙では、カニエ・ウェストとキアヌ・リーブスがドナルド・トランプ大統領を支持するとし、カーディ・Bやマーク・ラファロ、アリアナ・グランデ、マイリー・サイラスが対抗馬バーニー・サンダースを支持すると明らかにした。
芸能人の政治的発言も、ひとつの意見として尊重するアメリカと異なり、韓国社会では芸能人が政治色の強い発言をすると、甲論乙駁が巻き起こる。
芸能人の表現の自由を尊重する、より成熟した文化が必要であり、芸能人も自らが持つ影響力と大衆への尊重を忘れてはならないだろう。
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April 01, 2020 at 05:01AM
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芸能人の政治的発言は是か非か…韓国ではネット上で炎上するのが現状だ|スポーツソウル日本版 - スポーツソウル日本版
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