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NYの富裕層は別荘に避難、新型コロナで「貧富の格差」鮮明に - Forbes JAPAN

新型コロナウイルスの感染拡大に襲われた米ニューヨーク州では、郊外にセカンドハウスを持つ富裕層らが、都市部から退避する動きを進め、隣接する各州がハイウェー上に検問を設置するなどの緊張が高まっている。感染拡大は、米国の貧富の格差を浮き彫りにしつつある。

ニューヨークでの感染者数が6万人近くに及ぶなか、セカンドハウスに退避する人々が増加し、富裕層エリアとして知られるサウサンプトンの人口は数週間前の6万人から10万人近くに急増した。ハドソン・バレー地区の賃貸物件の一カ月の家賃はかつて平均4000ドル程度だったが、現在は1万8000ドルにまで上昇した。これにより、感染者の急増に対応できない医療機関も増えている。

富裕層が多いニューイングランド島地域のコミュニティ(ナンタケット島やマーサズ・ヴィニヤード、ブロック島)は高級別荘地として知られるが、医療のインフラは脆弱だ。ロードアイランド州の当局は既に現地のホテルら宿泊予約のキャンセルを命じたほか、州境に州兵を派遣し、隣接するニューヨークなどの州が、移動制限を発令した際に備えている。

ニューヨークの都市部では、中流階級やワーキングクラスの人々が内部に足止めを食らった一方で、郊外に避難した富裕層に対する怒りの声も噴出している。

ドリームワークスの共同創業者で、ビリオネアのデヴィッド・ゲフィンは、カリブ海に浮かぶ5億7000万ドル(約610億円)の巨大ヨットに避難し、感染拡大を逃れているとインスタグラムに投稿したが、激しい非難を浴びてその投稿を削除した。

ニューヨークの都市部においては、年収の中央値が5.6万ドルから6.5万ドルのブルックリンやクイーンズ地区が、最も強く感染拡大の影響を受けている。一方で、平均年収が8万2500ドル程度とされるマンハッタンは比較的、被害が少なく、多くの人々が郊外にセカンドハウスを保有している。

ドナルド・トランプ大統領は28日、感染が広がるニューヨーク、ニュージャージー両州とコネティカット州の一部で2週間程度の強制力のある移動制限を検討していると述べた。しかし、ニューヨーク州のクオモ知事は、この措置が「連邦政府による州への宣戦布告であり、違法だ」と強く反発し、トランプは方針を改めた。

これを受けて、米疾病対策センター(CDC)は、ニューヨーク、ニュージャージー、コネティカットの3州の住民らに対し、不要不急の外出を14日間控えるよう勧告した。

米国における新型コロナウイルスの感染者は3月29日時点で12万4000人に拡大し、死者も2000人を突破した。感染拡大は貧富の格差を浮き彫りにするだけでなく、州の間の摩擦をも引き起こしている。

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March 31, 2020 at 04:00AM
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