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北朝鮮の金与正、政治的存在感増す 対韓国強硬派の役割担う - Newsweekjapan

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が韓国に対する強硬姿勢を示す新たな役割を担っており、存在感を高めている。アナリストは、金委員長の補佐役にとどまらない実質的な政治家の役割を果たしていると指摘する。

与正氏は2018年の平昌冬季オリンピックで北朝鮮の派遣団を率いて国際的な注目を浴びた。その後、ベトナムで開催したトランプ米大統領との首脳会談に正恩氏が向かう際、正恩氏の補佐役として走り回る姿を見せた。

ただ、今年に入ってからは公の場における政治的な役割が増え、影響力を高めつつある。

かつて米政府で北朝鮮問題のアナリストを務めたレイチェル・リー氏は「国営メディアはこれまで、与正氏を正恩氏の妹、形だけのスタッフ、もしくは多くの当局者の一人として描いてきた」と指摘。「北朝鮮国民は今、彼女がそれ以上の存在であることを分かっている」と分析した。

与正氏はこれまで、北朝鮮のプロパガンダを担う機関で裏方として働いてきた。人権侵害や検閲を巡り米国は17年、与正氏を制裁対象の上級高官一覧に加えた。

朝鮮中央通信(KCNA)は9日、北朝鮮が韓国とのホットライン(直通電話回線)を切断すると伝えた。与正氏と強硬派の金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長が決断を促したという。

米スティムソン・センターの北朝鮮の専門家、マイケル・マデン氏は、国営メディアが政策決定過程を説明することはまれであり、与正氏を「非常に重要な人物」として位置づけていると指摘した。

[ロイター]


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