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【学術会議問題】政治介入の疑い強まった - 高知新聞

 日本学術会議の会員候補6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題が、新たな展開を迎えた。
 拒否の理由について、安全保障政策などを巡る政府方針への反対運動を先導する事態を首相官邸が懸念したためだと、複数の政府関係者が明らかにした。
 事実なら学問の自由に対する不当な政治介入であり、許されることではない。
 6人は共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法や、安全保障関連法などを批判。国会で同処罰法を「戦後最悪の治安立法」、安保法も「歯止めのない集団的自衛権行使につながりかねない。憲法9条に違反する」などと述べていた。
 首相官邸は6人が今後も公の場などで同様の主張を続け、学術会議内でも反対運動を主導しかねないとして「公務員としては適任ではない」と考えたという。
 任命拒否が報じられて以降、政府方針に異を唱える学者は排除するということではないのか、と懸念されてきた。政府関係者の発言はそれを裏付けるものといえる。
 この問題を巡って、自民党内には「学術会議の肩書で政治的な発言をするのは自粛しないといけない」といった考えが根強くあるようだ。
 しかし、学術会議は科学者が戦争に協力したことへの強い反省に基づいて設立された経緯がある。だからこそ日本学術会議法は、政府からの独立性に重きを置いている。自民党はそのことへの理解を決定的に欠いていよう。
 学術会議の大西隆元会長は「思想や政治的立場で6人を排除したことになり、憲法で保障された基本的人権の侵害だ」と述べている。もっともな指摘であろう。
 菅首相は当初、「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を求める観点から判断した」としていた。それが「(会員には)多様性が大事」となり、学術会議の「閉鎖性」を訴えるなど、組織論にすり替えて批判をかわすように変わっていった。
 説明が二転三転し、矛盾をはらんでいる。それもこれも学術会議を政府批判の先鋭的な集団にさせないという、政治的理由を隠すための苦しい弁明だからであろう。
 任命拒否には、杉田和博官房副長官が関与したことが明らかになっている。警察官僚で「警備畑」などを歩んだ杉田氏は、どう関わっていたのか。野党は同氏の国会招致を求めているが、与党は事務の官房副長官の国会出席は前例が少ないとして応じていない。
 菅首相は「あしき前例主義の打破」を掲げている。国民への説明責任を果たす上でも、国会招致を拒むこうした「前例」こそ打破してもらいたい。
 本欄でも繰り返し指摘してきたように、この問題を解決するためには任命拒否の理由と経緯を明らかにし、拒否を撤回して任命し直すことが欠かせない。菅首相にあらためてそれを求める。

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November 11, 2020 at 06:00AM
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