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自粛解除秒読みのニューヨークで「美容室」だけが取り残されたワケ(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

アジアの中で日本を見ると

 新型コロナにおける死者数の人口比の表を日本の記事でよく見かけるが、日本のテレビ・新聞は、ほぼ欧米とだけ比較するので日本だけが低く見えているかと思う。だが実際のところ、アジア各国では100万人あたりの死者の数は総じて低く、日本だけが特別低いわけでも高いわけでもない。

【写真】ニューヨークの街にたたずむ「無人」の美容室、ネイルサロン…

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100万人あたりの死者の数(5月13日現在)
日本 5.28
韓国 5.03
中国 3.22
台湾 0.29
フィリピン 6.63
インドネシア 3.62
タイ 0.80
マレーシア 3.37
シンガポール 3.59
インド 1.66
ソース:ECDC(ヨーロッパ疾病予防管理センター)
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 ニューヨークでの新型コロナによる死者は、89%が基礎疾患を持っており、その基礎疾患のランキングの1位から4位までが、糖尿病など肥満体質の人がなりやすい疾患であることを前々回に書いた。日本では、PCR検査について「韓国では…」「欧米でも…」と尾ひれを付けるので、反発する人や、死者率の違いを言いつのる人が多いのかもしれないが、「なんのための検査なのか」とシンプルに考えたほうが良いのではないだろうか。

<PCR検査の目的>
新型コロナの感染者を特定し、個人に対し待機要請(自宅・施設)をすることにより感染拡大を防止するためのもの。患者の治療の必要性を知り、また、データの蓄積により出口戦略の指標作りにも役立つ。

<抗体検査の目的>
どれくらいの人が新型コロナに感染したことがあり、どれくらいの人が回復して抗体を持っているかの割合を知るためのもの。データの信憑性はPCRより弱いが、出口戦略の指標作りにも役立つ(無作為の場合)。

 これがニューヨーク州での認識で、これ以上でもこれ以下でもない。どちらもただの手法にすぎないからだ。

自粛を徹底したことで

 理想としては、全員に新型コロナを正確に検査できるキットがあり、外出前に結果がすぐに出て、陽性だった場合に自宅待機できるなら、感染拡大を防げることになる。だが、そのようなものは現実にない。だから国や自治体は、その上でどういう戦略であるかを国民に伝えることが必要とされている。自粛で困っている業種はいくらでもあるからだ。

 5月11日のニューヨーク州の新型コロナ検査数は2万0468名、そのうち感染者は1430名、陽性率は約7%。自粛を徹底したことで効果が出ている。1ヶ月前の陽性率が40%くらいだったからだ。4月11日前後も、1日の新型コロナ検査数が5月と同じく2万件程度で推移していたので、分母が大きく変わっていることもない。だから比較も容易になる。

 ニューヨークの方針は、徹底的な検査をすることにより、施策は「データ」「計測」「科学」を基にすることにある。具体的には入院者率と陽性率とクラスターの追跡、そして実効再生産数など多岐にわたり、それらの数値が目標以下になった地域から自粛が解除される。

 ここまで方針が明快だと、感染者「数」が多いニューヨークに住んでいても、行政による方針自体に不安はない。ニューヨークでは新型コロナの感染者数、入院者数、死亡者数も日々減り、5月15日からは地域ごとに自粛が解除される予定だ。いまのところ州の目標数値を下回っているニューヨーク州北部から自粛が解除される。だが、都市部のニューヨーク市はまだ目標数値が達成されていないので、自粛解除まで長引くことが予想されている。

 抗体検査は無料で実施されることになった。予約制でニューヨーク各地で現在も行われている。本人に抗体があるかどうか知りたい人向けではあるが、州や市にとっては出口戦略のためのデータになる。また、第1波の仕上げの段階に入っているニューヨークでは、検査数をさらに増やす動きがある。都市部であるニューヨーク市では、現在1日に約1万名のPCR検査をしているが、5月25日までに2万名、8月1日までに5万名まで増やすと発表した。検査場は病院の他、各地域の教会が利用される。

 そして、ニューヨーク市ではPCR検査により新型コロナに感染したことがわかった場合、無症状であっても必要であればホテルに無料で滞在(隔離)できるようにする、とも発表した。ホテルの部屋数は1200室。ホテルまでの交通も用意され、ホテルでは医療スタッフが待機。新型コロナ感染者がホテルに滞在中は、食事と着替えの服、各種薬などが支給される。費用はニューヨーク市が負担する。

 ホテルでの隔離の目的は、新型コロナ感染拡大を防止するため。他人への感染防止にもなるが、家族にとっても新型コロナ感染者と共に住んで感染しないための措置になる。市の経済的損失も含め、正しい施策かどうかは後の判断になるが、ニューヨークは論理的に物事が進んで行っていることは確かだ。

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May 15, 2020 at 05:01AM
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