新型コロナの感染者数が連日2万人を超えているアメリカでは、各地の保健当局が、市民に健康的な生活を送れるよう、さまざまなアドバイスを送っている。学校に向けた助言、妊婦向け、移民向け、HIV患者向けなど、ありとあらゆる人を対象にしているが、そのなかにはセックスに関する案内もある。
どの保健所も内容は似たようなもので、感染しやすいキスは避け、手をよく洗おう、コンドームを使おうといったものが多い。
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オレゴン当局のアドバイスはやや突出していた。最も安全なセックスパートナーは自分自身だとして、自分の指や大人のおもちゃを上手に使うよう、アドバイスしている。さらにチャットなどを使ってリモートセックスを提案するとともに、キスの相手も選びましょう、などとわかりやすいポスターを作っている。
どの保健当局も最新のニュースにともない、内容を随時アップデートしているが、最近ニューヨークが更新した「Safer Sex and COVID-19」の内容が話題を呼んでいる。
その1つ目は「マスクを着用しよう」というものだ。添えられた文章に「あなたの趣味に合うかどうかわからないが、深い息やあえぎ声はウイルスを拡散する」などと書かれている。また、グループセックスはすすめていないが、「3名以上は群衆だ」としつつ、なるべく少人数で、と追記した。
さらに「少しkinky(変態)にしよう」として、お互いの間を遮るバリアを利用し、体勢も工夫し、顔と顔が近づくのを防ごうと書かれている。カップルで一緒にオナニーするだけなら感染を防げるともある。どれもいたって真面目なアドバイスなのだが、一部のメディアは過剰に反応している。
このほか、各保健局のアドバイスに共通する内容として、
○ウイルスは便や精液のなかで発見されている
○膣内にウイルスが拡散するかどうかはわかっていない
○肛門をなめるのは避けたほうがよい
○ほかのコロナウイルスは性行為では簡単に移らないことがわかっている
などといった情報が網羅されている。
ヨーロッパでも似たようなガイドラインが存在する。オランダやデンマークなどはパートナーとのセックスを推奨しており、アメリカよりゆるやかなところが多いようだ。
イギリスでは同居していないカップルの性行為を事実上禁止していたが、ジョンソン首相は、6月13日から、単身者が他の世帯とともに「サポート・バブル」という共同体を作り、宿泊も可能になると発表した。これにより、大衆紙『サン』は「セックス禁止令が終わる」と見出しに打った。多くの人にとって、とても嬉しいニュースだったことだろう。(取材・文/白戸京子)
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June 14, 2020 at 06:00PM
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